ジョーボン王の后、マーヤー夫人のお腹に白い像が入りました。その後、妊娠されたマーヤ夫人はルンビニ園でおうじさまをお生みになります。おうじさまは動物にも心をくだく、優しい人になりました。あるとき、東西南北の四つの門で、「老人」「病人」「死者」「出家者」を見ます。おうじは世の中の苦しみをなくしたいと悩み、ついに出家してしまいます。さまざまな苦行のはて、苦行では悟れないとおうじは思います。そこへ、ある女性がやってきて、牛乳を布施されます。それによって、力を得たおうじさまは、菩提樹の下で悟りをひらかれ、仏さまとなります。
「おしゃかさま」の絵本が「キリスト」の絵本にくらべるとあまりにも少ないと思います。現にこの絵本も古本屋でようやくみつけたくらいです。
日本人の宗教は基本的に仏教が多いはずなのに、この現象には首をひねります。クリスマスは大好きですし、12月に書店でクリスマスの絵本が沢山出るのはうれしいですが、バランスが悪い気がするのです。
娘におしゃかさまのお話しを聞かそうと、0歳のころから、探し回りました。でも、なかなかみつかりません。私自身も幼いころから仏事に参加しながら、キリストのことは知っていても、おしゃかさまの知識は皆無といってよいものでした。でも、家には仏壇もあったわけですから、興味がないわけはありません。仏教は日本人の生活に根づいているものです。心のそこでは知りたい気持ちはあった気がします。大きくなってから、おしゃかさまの話を知って、これはもっと小さな頃に聞くべきものだと思ったものです。
ですから、自分の子どもには早くに教えたいと思い、絵本を探していたのです。この絵本はストーリーも簡潔でわかりやすく、絵も品があって、好きです。ただ、絶版かもしれません。残念です。絵本の出版社さんにはクリスマスばかりでなく、仏教にも目を向けて欲しいものと思います。