石ころ集めが大好きだった、作者のお父さんの実話。小さな頃から石に魅せられた少年は、成長してからもガソリンスタンドを経営しながら石の収集を続けます。大恐慌時代、仕事のない中でも、どんな状況でも彼の生活は石とは切っても切れない関係。そして、ふとした出会いから石博物館の夜間管理人となりました……。「父ほど幸福な人生を送った人を、わたしはほかに知りません」と作者が語っているように、この絵本には「学ぶことをこよなく愛し、尊重した」お父さんの人生が描かれています。
息子に「大きくなったら何になりたい?」と聞くと「まだ、わからない」。結構まわりの影響を受けるらしく、幼稚園のときは消防士、小学生になってからは動物のお医者さん、最近はスポーツ選手とか、おもちゃのデザイナーとかいろいろです。でも何をしようとも、本人が幸せを感じてくれるならそれでいいですよね。何か好きなこと、見つけてくれるといいなと願わずにはいられません。
人生について語った内容、漢字も多用されていることから、対象は小学3年生ぐらいから。大恐慌時代の背景など理解していると深く読めると思います。息子はすでに現地の学校で読んでもらったとのことで、日本語でちゃんと理解してたのかな……。最近そこが気になります。
最後にわたしの感想。こういう生き方、本当に理想的です。自分の方向についても考えさせられました。子どもだけでなく大人もじっくり味わえる、深みのある作品です。