誰に何と言われようと好きな石のことにとことん打ち込み、ついには博物館の館長に就任する男性の話。
作者の父親の実話だそうです。
時代の流れのせいもあってか、職業が不安定な中、石のためならどんなことも乗り越えていく主人公。
波乱万丈な人生だったことが想像されますが、この絵本では、苦労話という印象はなく、淡々とした明るさを感じました。
やわらかい色調の絵の効果でしょうか。そのあたりも好感をもちました。
「父ほど幸福な人生を送った人を、わたしはほかに知りません」
とは作者のあとがき。
ここまで一途に情熱を向けられるものがあって、実の娘にこんな風に思われ、こんな素敵な絵本も生み出された。
まさにこの主人公は幸福な人ですね!