絵本というより物語なので、小学生低学年以上向けでしょうか。我が家の年長の息子、年中の娘はじっと聞いていましたが、途中でちょっと飽き気味でした。娘はバレエを習っているので、バレエ学校やレッスンの描写に共感したみたいです。ステップの名前も出てくるし。息子はバイオリンを習っているので、バイオリンを弾く人(馬の友達)の描写にやはり共感したようです。子供の習い事はえてして苦行になりがちですが、音楽と踊りは一体化するもの、そしてみんなで楽しむもの、という概念がとても伝わってきます。また、苦労して上手になっても、大事に舞台で失敗してスターになるチャンスを逃してしまうというシビアな場面があります。田舎へ行く途中で見ず知らずの人に怒られたり、坂を転がり落ちたり、運の悪いエピソードも。こういうことは現実によくあることです。馬が躍るというのは非現実的ですが、人生のさまざまな現実をとても正確に、リアルに描いているので、大人でも(大人だから?)うなずきながら読んでしまいます。