字のない絵本。ただ1本の木があり、その周りで起こる植物や動物の四季の変化があるだけ。
まだ雪の残る、春には程遠い季節、けれども土の下では春への準備が着々と進められています。だんだん根をはり芽を出し木が緑で潤ってゆくにつれ 冬眠から覚めた動物が動き始め、鳥が巣をかけにきて…そんな自然を子供の感性で、読み聞かせするあなたの感性で、自由にお話を作ってみて下さい。
2歳前に読んで、いまだに自分で引っ張り出しています。
特に晩秋、真っ赤になった葉っぱが散ってゆくページがお気に入り。
私はまだ春を思うばかりの雪の頃に、土の下でもう根を伸ばす種たちがかわいくて嬉しくて、娘に一生懸命「お花の赤ちゃんよ」と説明したものです。
字のない絵本は、親子の間だけの秘めごとのようです。その親子だけのお話です。お友達に話したって通じません。ちょっぴり寂しいけれど嬉しい絵本です。
子供が、お母さんに作ってもらったお話を覚えて成長するのもどこか楽しく、また子供が自分で想像したお話を心に持つのも楽しいですね。