この絵本、数年前にも一度読んだことがあるのですが、その時はあまり記憶に残りませんでした。でも、先日本屋で見かけ、その絵の素晴らしさ、表現の緻密さに迷わず購入しました。絵本は読んだときの季節や読む人の状況にすごく左右されるものなんですね。
とにかく絵が素敵です。細かいところ(動物たちの表情や『わるいてんきしんぶん』など)まで見所がいっぱいです。
そしておひさまパンのおいしそうで、暖かそうなこと!それを食べた動物達は空に上るような幸福感に満たされます。それにつられてて本物のお日様も顔を出し、みんなはおひさまパンをお日様にもおすそわけ。
北国の、春の陽射しを待ち望む気持ちが、とてもよく感じられる絵本だと思います。
訳は確かに難しい表現もありますが、この絵本は雰囲気を味わう絵本なのかな、と私は思いました。小さい子供であっても、時にはこんな、詩的で美しい表現に触れることで、感性は磨かれていくことでしょう。
流れるように歌うように、大人が子供に読んであげたい絵本です。