ロシアのアニメーション作家、ユーリ・ノルシュテインさんの代表作品を絵本化したもの。
物語は、夕暮れにはりねずみが、小熊の家に出かけるシーンから始まります。
二人で星を数えるためです。
きりのなかという表題通りに、全体の基調が暗く描かれているのですが、それがこの作品をさらに幻想的なものに仕上げています。
いく途中で、はりねずみはいろいろな物に出会います。
きりの中に、白い馬が浮かび上がったり、銀色の蛾が現れたりとまさに不思議な世界が展開します。
白い馬は何か、はりねずみの心情を具現化しているようにも思えました。
ストーリー性はほとんどありません。
はりねずみの冒険にまつわる幻想的な絵を、充分に堪能して貰えれば良いという絵本と言えそうです。