題名だけでは話の内容が想像つかない。
表紙の絵も地味なので、見てすぐに「わ、これおもしろそう。」と思うような本ではありませんが、一度手に取り読んでみると、じんわりとよさが伝わる、そういった絵本です。
コーネリアスは、生まれた時からいきなり立って歩く変わり者のワニでした。
なので、はって歩くのが当たり前のほかのワニにとっては、ただの変わり者としかうつらなかった。
コーネリアスが立って歩くことで得た喜びや発見をわかろうという気もなかった。
だけど、コーネリアスは、いろんなことをどんどん吸収していきたいという好奇心旺盛なワニで、変わり者の1頭のワニが、やがて川辺のワニ全体を変えていくことになるのです。
みんなが当たり前だと思っていることだけが本当の姿ではないといこと。誰にもいろんな可能性があるということ。
大人が読んでも、なるほど、と思う絵本です。子供が同じような感じ方をするかどうかはわからないけど、歩くワニがいてもおもしろいかも、そんなふうには思ってくれるんじゃないかな。
わぁおもしろかったーではないけれど、心のどこかに静かにひっかかってくれる、そんな感じの本かな。いろいろな人がいるからおもしろいんだ。それは、人でもワニでも同じ。