中川正文先生の講演を聞いた際に、サイン本を購入しました。
皆さんのレビューを拝見していると、
山脇百合子さんの絵なので、
「ぐりとぐら」と同じく中川李枝子さんの文だと思っていらっしゃる方が多いようで、驚きました!
私が、たまたま中川正文先生のほうから入ったので、誤解はなかったけど、
私も絵から入ったらそう思っていたかも・・・。
中川正文さんと、李枝子さんは、ご夫婦でいらっしゃいます。
きっと、そのご縁で、百合子さんとコンビを組んだこの作品が生まれたのですね。
この絵本の初版発行は1974年。
私は生まれていないくらい昔ですので憶測ですが、
今ほど時間に追われてあくせくしていなくて、
風邪を引いても冷やして寝てれば治る、くらいのおおらかな時代だったのでしょうね。
それに、交通事情も今ほどよくないので、
「雪だったら来られないかも」というのは、りすのお母さんの頭にはあったかもしれません。
そして、風邪のときの応急処置の心得も、きちんとあったのです。
ですので、現代の感覚でこの絵本を読んでしまうと、
十分に楽しめないどころか、少し腹立たしくさえ感じてしまうでしょうね・・・。
それがよくないとはこれっぽっちも思いません。
本来絵本とは、時代が移り変わってもいつまでも楽しめるものが「良い絵本」だと思うので、
そういう意味では、この「ねずみのおいしゃさま」は、時代に合わなくなってきてしまった絵本なのかもしれません。
少し、寂しいですが。
とはいえ、程度にもよりますが、
生来健康な子であれば、風邪で重篤な事態にはならないでしょう。
もちろん、素人判断は危険だとは思いますが・・・
ホントはそんなに大騒ぎして病院に行ったり、お医者様に来てもらうほどのことはない場合もあるのでは?
今の時代は、それを見極められない親も多いですし(自戒を込めて)、
ちょっとしたことで「誤診だ!」「院長を呼べ!」とクレームをつける親が多いのも事実。
現代人も、この絵本を読んで、
もう少し心のゆとりや、相手の状況を想像して鑑みる余裕を持ったほうがいいのかもしれません。