「へびのクリクター」を書いた作者の絵本です。
この作者、トミー・ウンゲラーさんという人は、へびに、そして、タコのエミール君に、ちょっと主役になりにくい動物を上手に使っていますよね。
私がもし絵本を描こうと思ったら、まず、へびやタコは、登場人物としては浮かばないと思う(^^ゞ
でも、だからこそ、クマさんやうさぎさんが主役になっていることの多い絵本にあって、ちょっと新鮮な気がします。
たこのエミール君は、サメに襲われた船長を助けて以来、船長と一緒に陸上で生活することになります。
8本も足のあるたこです。たくさんの楽器を同時に扱え、海では4人もの子供を同時に救い、怪しげな船に乗った悪者を捕まえたりと、たこならではの大活躍。
でもね、やっぱり、陸上よりも海での生活を選んだエミール君。
船長と涙ながらのお別れをしたのかと思いきや、そうではありません。
今度は、潜水服に身を固め、船長が海の底にエミール君を訪ねていくのです。
「ふたりの友情はどんな海よりも深かった。」この終わり方も、なかなかしゃれています。