エド・ヤングは、1931年中国 天津生まれ上海育ち。
この生い立ちが、絵本の原点となっています。
この作品は、1993年コールデコット賞オナー賞を受賞。
原題は、「Seven blind mice」
彼は、1968年「The Emperor and the Kite」でコールデコット賞オナー賞(絵を担当、未訳)、1990年には「ロンポポ」でコールデコット賞を受賞しています。
物語は、中国のことわざ「群盲象をなでる」を7匹のネズミで絵本にしたものです。
盲目の7匹のネズミが不思議なものに出会うシーンから始まります。
そこで、月曜日から順に1匹ずつ調べに行きます。
ところが、柱だ、へびだ、槍だ、岩だ、扇子だ、縄だと答えはバラバラ。
7匹目のねずみは、不思議なものに近づくと、端から端まで隈なく調べて意外な結論を下すのです。
黒の背景に赤、緑、黄、紫、橙、青、白色の7匹のネズミが登場します。
そのコラージュは綺麗なもの。
右側のページには、ねずみが不思議がるものがあって、次のページでは、それぞれのねずみが出す答えのものが、そのねずみの色と同じ色に変化します。
巧みな構成なので、見るものを惹きつけてしまうこと間違いありません。
不思議なものの正体は、少し大きい子だと直ぐに分かってしまうかも知れませんが、分かったとしても、最後の教訓に納得できることでしょう。
水準の高い絵本としてオススメします。