絵本というよりは、読み物といった感じですが、絵もあたたかみがあって、かわいらしい本だと思います。
この本を、「望みを捨てなければいつかは願いが叶う」ととらえると、とても素敵だと思います。
でも、「自分の置かれた境遇に、新しい喜びを見つけて、それに感謝する」ことを良しとする考えの人から見ると、ちょっと意にそぐわないかもしれませんね。
他の方のレビューにもありますが、男の子に気に入ってもらえて、毛糸玉も満足するシーンで終わるべきと考えてしまうかもしれません。
私としては、どちらかというと、後者の考えです。
いつまでもまったく使われずに箱の中で眠っている毛糸玉を思えば、手袋に編んでもらえたことも、幸せなのではないかなと。
ちなみに7歳の娘に感想を聞いたところ、「夢を捨てないのも大事だけど、クリスマスプレゼントに欲しいものがもらえなかったからって、いつまでもあれが欲しかったのになって言っているような気がする」だそうです。
さらに私が残念に思ったのは、出てくる動物のあり方に統一性がないこと。
つまり、手袋を拾う、男の子の飼い犬は、まさにただの犬であるのに対して、ネコのほうは、洋服も着て2足歩行で、編物までしている。
動物を擬人化するのかしないのか・・・なんとなくひっかかりました。
プルートはミッキーマウスの飼い犬なのに、グーフィーは同じ犬でもミッキーの友達なのと、同じなんですけどね。
ついでに細かいことを言えば、最後のページで子猫がセーターを着ているのですが、キャベツの上に立っている。
かわいいといえばかわいいですが、これにも娘は、「食べ物のを足で踏んでる・・」とちょっと困惑顔でした。