スーザとマリアおばさんは、オリーブ畑に囲まれた小さな村に住んでいました。
スーザはねぼすけな女の子で、朝、ねこのベルダが鼻をこちょこちょくすぐっても、犬のホセが毛布をひっぱても起きません。マリアおばさんが、フライパンを10回叩いて、やっと起きるくらいです。
ところが、ある朝、マリアおばさんよりもずっと早く起きて、丘をいつつ超えた街へと出かけていきました。
ふだんは、朝、なかなか起きられなくても、何かあれば、きちんと起きることができるのは、なんだかわかるような気がします。私自身、学校の日には、なかなか起きる事ができなかったのに、遠足の日になると、自分で起きられたものでした。でも、スーザの場合は、もっと素敵な用事をする日だったのです。
表紙を見て、外国の方が描かれた絵本だと思ったのですが、書いてある著者の名前は日本人。外国を舞台にしたお話で、優しい心、一生懸命な心が、いっぱい伝わってきました。表情の柔らかな描き方からも、優しさを感じることができます。