にんじんばたけのパピプペポ」 渡”邉恵’里’さんの声

にんじんばたけのパピプペポ 作・絵:かこ さとし
出版社:偕成社 偕成社の特集ページがあります!
税込価格:\1,100
発行日:1973年11月
ISBN:9784032060805
評価スコア 4.7
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みんなの声 総数 65
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  • 1973年刊行。
    親の手伝いもせずに、こまったことばかりしている20匹の子ブタたちが、家の近くの原っぱで「赤い根っこ」の植物を見つけて、大騒ぎする話。

    お話は単純明快、人参の効能で、いっぺんに「いい子」になってしまった子ブタたちが、親孝行や社会貢献をする展開。
    しかし、後書きを読むと、考えさせられる。
    作者が、1973年の刊行時から、20年前(1953年頃?)に体験した「子ども会」の活動がきっかけでできたお話。
    いろんな事情の子ども達と接する時に、その子どもたちが連日、持ち込む悩み事の「対処療法」として、紙芝居やお話、絵物語などを作っていたという。

    作者は、「予防医学」として機能する作品も、「対処療法」としてその時に必要な作品も、両方必要だと書いていた。
    素晴らしい信念を持っていると思った。
    ・10年、20年後の子ども達や世の中が、楽しく豊かに。
    ・目の前の子どもに必要なことを工夫して提供する。
    筆者の作品が、時代を超えても読み継がれ、年代を越えて多くの愛好者がある理由がわかる気がした。

    教育的な内容の児童書はなかなか、不良の私には読みにくく感じることもあるが、本書は、教育的な内容だとわかっていても、楽しいお話として素直に受け止めることができた。
    筆者の込めた純粋な思いが、数十年の時を経て、2023年に中年をやっている私に届いた。ありがたいことだ。

    大人に、特に、あとがきを読んで欲しいと思う。

    投稿日:2023/04/21

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