スイスの最も美しい絵本賞(1975年)、
ライプチヒ図書展「世界で最も美しい本賞」(1977年)を
それぞれ受賞している作品です。
ワニがとってもリアルなのに、美しく描かれています。
突然現れたワニを見て失神した人間の様子もワニの視点から
【だらしなく、すわりこんでいる】とさらりと表現。
また、ワニにおびえて逃げた人間の様子も
道端に残された吸いかけのタバコや、帽子・新聞などで
これまたスマートに表現。
無駄が一つも無い、シンプルな美しさがあります。
ただ、逆上したワニが店の店員さんを食べてしまうという場面があり、
そのあと、故郷に帰ったワニがどうした・・というより
食べられてしまった罪の無い店員さんのことが心に引っ掛かってしまうお話でした。