人形作りの仕事をたった一人で、毎日ひとつひとつ、心を込めて、丁寧にこなすゴールディ。どんな細かい作業にも、労力をいとわない、彼女の姿に、職人としての気概みたいなものをすごく感じます。そして、なかなか真似のできないその姿に美しさを感じるのです。しかし、物作りは、時に孤独を感じる仕事なのでしょう。「寂しいの」とつぶやく言葉に、はっとしてしまいました。私のように、飽きっぽい性格の人間には、彼女の一つの仕事を貫き、極めるという姿がとてもまぶしく感じます。
個人的には、彼女の作るその素敵な人形をカラーの絵で確認したかったです。モノクロの絵なのが、ちょっと残念です。
お話の内容からして、まだ小1の娘には、ちょっと難しすぎました。もう少し大きくなってから、もう一度読んであげたいですね。
この絵本は、訳者のあとがきの言葉に感銘を受けました。
「人生において価値あることは、そして本当に幸せなことは、仕事をすることであり、もし何かひたむきに自分を捧げるものがなければ、その人生はつまらないものだ」