シロクマくんと、かあさんの会話はどこにでもありそうな、ごく日常的な風景。「ねえ、かあさん」シロクマくんは、かあさんにききます。「ゆきって、どこから くるの?」「それはね・・・」かあさんは、シロクマくんの次々わいてくる「ドウシテ?」の質問に「ウルサイワネ!」「ドウシテモダカラ、ドウシテモナノ!」なぁ〜んて言いません。見開き12ページ中、11ページに親子の絵。青と白を基調にした配色。余分なものは要らないよ、これだけで充分だよ、っていわれているみたい。シロクマくんに触れると毛羽立ってちょっぴりあたたかい感触。特殊加工してあるんです。 よくある場面なのに「それはね、あかくても きいろくても みどりでも あなたは あなただからよ」「かあさんは あなたのことが だいだいだーいすき!」「そうか!それなら、ぼく ずっとまえから しってたよ!」なんて、ストレートに言えない人もいるかも・・・。わかっているけど言葉にしてギュッ!と抱きしめて言われてみたいよね。 一組の親子の前で読み終えたとき、その女の子とお母さんは、なんだかポワ〜ンとした空気につつまれているようでした。めでたし、めでたし。