好きなことを好きなだけ出来たら、どんなに幸せだろう。
一途なことは、どうしてこんなに人を揺さぶるのだろう。
豪雪地方に生まれ、雪の美しさに魅了され、世界で唯一初めて、その美しさをそのまま写真で残すことに心血を注いだベントレーは羨ましいほど幸せな人物だ。
もしベントレーが雪が降らない地方に生まれていたら?
ベントレーが生まれたのが写真機が発明される前だったら?
そうはならず、ベントレーがベントレーであった幸運。
そしてベントレーの写真、そしてこの絵本を見ることが出来る私たちもまた幸運なのだと思う。
子どもは偉人伝として、楽しく読んでいた。
私は絵本の行間ににじむ人生に涙した。
子どもも大人も楽しめる本、大人の鑑賞に耐える本が「よい本」だとしたら、間違いなくこれはその本だと思う。