幼い子供は、自他の線引きが実にあいまいです。
自分の思っていることと、人の思っていることが同じだと思いこみ、
自分の考えを言わなくても、親密な人なら分かっている、と思っています。
この絵本は、そこのところをうまくついた絵本です。
みんなでピクニックへ出かけることにした動物たち。
あさ九時に集まることにしたみんな。
場所は広場の木の下です。
ところが、みんな、思い思いの木をめざしていちもくさん。
りすは、みんなでどんぐりひろいした、かしの木。
さるは、みんなで木登りした、くすの木。
きつねは、みんなでかくれんぼした、いちょうの木。
それぞれ、自分の木にみんなが集まるものだと思い込んでいます。
いつごろから、子供というものは、人の身になって物事を理解し、振舞えるようになるのでしょうね。
と思いきや、親であるわたし自身も、いつもそれが出来ているとは限らない、とちょっと反省。
ユーモラスで、大人はちょっと考えさせられる絵本かもしれません。
小さい子は、そこまでさすがに考えないでしょうが、
もちろん、文句なく楽しめるストーリー展開です。