よくありがちな「つまらないものですが・・・」というせりふで始まるおかえし合戦の物語です。
ちょっと度を越えたおかえし合戦で、皮肉がぴりりと効いています。
私は、どんどん長くなる「おかえしの おかえしの・・・」というセリフが正直しんどいのですが、子どもには面白いらしく、私が読んだ直後にもう一度自分で文章を指でたどりながら読んだりしています。
また、おかえしするものに頭を悩ませるお母さんを尻目に、イチゴをひたすら食べるたぬきの子どもに注目して、「あっ、食べてる」「もうなくなった」なんていちいちチェックしていました。
おかえし合戦が白熱して、子どもまでおかえしにしてしまった時には、「子どもまであげちゃうの?」と心配そうでしたが、すぐにお母さんと一緒になるのでショックを受けるところまではいきませんでした。
おかえしをもらったお母さん達が、もらったものに喜んでいるのが良かったです。
「こんなものもらっちゃったけど、おかえししないわけにはいけないし・・・ほんと有難迷惑だわ」という様子はまったくなく、素直に喜び、素直におかえししているので、全体の雰囲気が明るいのです。
そのお陰で、皮肉が効いている割にはドロドロせず、楽しく最後まで読むことが出来ます。
我が家では「面白かったね」という本でしたよ。