雪山にたたずむゆきうさぎの凛とした姿が印象的な表紙です。
ゆきうさぎが生まれてから仲間と合流するまでを、淡々と力強い版画で描きます。
うさぎの成長は早いので、早々に自立しなければならないのです。
えさを探すことはもちろんのこと、天敵から身を守ること。
きつねなどの足音を聞きつける耳の大切さが実感できます。
題名にもある「知恵」の重みを感じます。
きつねから逃げ切ったゆきうさぎが、
「自分の体に力がみなぎっているのがわかりました」
というシーンが印象的でした。
多色刷りの版画が持つ独特の迫力が、こういった自然界の営みを描くととても映えますね。
ノンフィクションということなので、子どもたちにもそのリアリティを体感してほしいです。