茶トラの猫トビーは空を飛ぶことに憧れています。小鳥たちにそっと近づき「ねぇ、どうやって飛ぶの?」と尋ねます。仲間のネコたちがあざ笑う中、白ネコのサーラだけはトビーを応援します。やみくもに飛ぶ練習をしているさなか出会ったカラスのフリーダと仲良くなるトビー。サーラはさびしい気持ちでいっぱい。ついにトビーは空を飛んで・・・。
油絵で描かれたネコたちの姿はとても愛らしくネコ好きにはたまらないでしょう。「あっちいけよ!」と言われたサーラの切ない表情、真っ逆さまに落ちていくトビーの様子、色遣いが美しく見応えがあります。
地上を離れて(日常を離れて)気がつくもの、それはいつも見守ってくれる人の想い。それがテーマの本ですが、そんなことに気付かなくとも十分受け入れられる一冊だと想います。大人の方がズシンと堪えるかもね。