児童文学の大御所、松岡享子さんの作、日本画の秋野不矩さんの絵ということで、
思わずセレクト。
民話調です、やはり質の高さを感じました。
老夫婦が育てたかぼちゃから、ある夜、祭囃子が聞こえてくるのです。
そっと中をのぞくと、ちいさなひとたちが太鼓を打ち、笛を吹き、踊っているのです。
毎晩楽しみにながめていたのですが、ある日、その太鼓の皮が破れてしまったのです。
老夫婦はちいさなひとたちのために、小さな太鼓を作ってあげるのです。
おそらく創作でしょうが、民話の雰囲気がとてもよく出ていて、
その世界がとてもよく伝わってきます。
祭囃子、というのもいいですね。
老夫婦とちいさなひとたちのささやかな交流もほほえましいです。
なるほど、かぼちゃなら、こんなこともありえそうです。
小さな太鼓の材料、細工の見事さ、箸で小さな太鼓を届けたり、と
細部の描写が素敵でした。
言葉も美しく、子どもたちに届けたい作品だと思います。