中国民話の再話。
1955年に方 軼羣(ファン イー チュン)が中国で絵本『夢卜回来了』として発表したもの。
それに、1965年に村山知義さんが絵を挿入して発刊したもので、かなりの古典的作品になります。
この作品は、1959年の出版以来読まれ続けている、フランスのロングセラー絵本「ペール・カストール」シリーズの一冊として、「ゆきのひのおくりもの」としても発刊されています。
「ゆきのひのおくりもの」のにんじんが、「しんせつなともだち」ではかぶになっているくらいで、話の展開に大きな差異はありません。
物語は、雪の中でかぶを2本見つけたこうさぎが、お腹が一杯になったので、残りの1本をろばに届けてあげるシーンから始まります。
ろばは、外出中。
くしくも、ろばは、その頃雪の中にさつまいもを見つけて、喜んで帰るとかぶを見つけます。
その繰り返しが続くぐるぐる話で、友達への想いがリレーされていくという話は、実に分かり易いもの。
情けは人のためならずということが、分かってくれたら良いのではないかと思います。
ただ、最後にこうさぎが、「ともだちが わざわざ もってきてくれたんだな」と言って終わるのですが、もう一ひねり欲しかったところです。
余りにもあっさりしていて、余韻が少しもないというのが残念な気がしました。
登場する動物達は、マフラーをしていたり、帽子を被っていたりして、その擬人化された暮らしぶりも楽しみの1つです。