小学校低学年のとき国語の授業に登場した『くまの子ウーフ』
今日もう一度ウーフに再会するまでのとてつも長いあいだ、わたしにとっては正直苦手なくまの子だったんだ。
ウーフが苦手って珍しいかな。
なんにでも疑問をもって、そのくせ知ったかぶりしたり。
すぐキツネ君(そうだツネタだツネタ)にだまされて。
じぶんはおしっこでできてるのかなって不安になったり。
このくまの子くんがあまりにも無邪気に素直にじぶんの気持ちや疑問を
相手に尋ねたりじぶんで考えぬいたりするのが、とっても苦手だった。
わかってるんだ。
人見知りで自分の気持ちをうまく表せない。おまけに表情も乏しくてすぐに泣いてしまう。そんな幼い頃のわたしには眩しすぎたんだ。眩しすぎて目を背けてしまうことしかできなかった。
もう一度手に取った今日。
読み終えたわたしにウーフは意外にもとっても愛らしい笑顔を見せてくれた。いや違うな。今のわたしには当然のように愛らしいくまの子ってわかっていたと思う。ウーフは全く変わっていないのに、今度はウーフとちゃんと目を合わせられるわたしがいる。
ウーフのおかあさんのおおらかさとあったかさに反省と尊敬の念を抱くほどわたしは年をとった。あの頃のわたしは何とか頑張ってきたのだ。今更ながらそう思う。
ずっとずっと待っててくれる世界。それがウーフの本の中にあること気づいた。可愛いウーフ。やんちゃなウーフ。ウーフは子どもにとって、やっぱり必要な友だちなんだと思う。
そしてかつて子どもだったママたちにもね。