最近、起承転結のはっきりした、それもニコニコハッピーエンドといった絵本ばかり読んでいたので、この「むくどりのゆめ」を読んで、久しぶりに、寂しさのなかに、じんわり温かさがこみあげて、読み終わったあとにじーんと切なくなるなんともいえない感覚を味わいました。
いもとようこさんの描く動物の絵は愛らしくてかわいらしいですが、この絵本では、全体的に薄暗いトーンの景色や、むくどり親子の表情などから、さらに寂しさと温かさも伝わってきました。
お父さんどりの寂しさをひめた温かさと子どものとりの無邪気さが物語をとても美しく語っています。たまには、こういう絵本を読んでじんわりするのもいいですね。ぜひ主人にも読んでもらおうと思います。