昔、やまおくの岩穴に鬼がひとりで住んでいた、
鬼は寂しくなって、山でつかまえたうさぎやとりをぶら下げ、ふもとの村へと出かけていった。
ところが、村の人たちは、怖がり、逃げ出した。
しょんぼりと、山へ戻った鬼。
再び、たくさんのおみやげを持って出かけたが、やっぱりだめ。悲しくなった鬼は、村の中で大暴れ。ある家に、赤ん坊が忘れられていた。
食ってやろうと思った鬼を見た、その赤ん坊は…
『泣いた赤鬼』と同じように、人間と友だちになりたいと思っている鬼の登場です。受け入れてもらえない人間に対してとった鬼の行動、かなり激しいものでした。期待して裏切られた時の傷ついた心を思うと、本当に切なくなりました。
その鬼の心を癒してくれたもの、幸せな気持ちにしてくれたものがあり、本当によかったと思います。
ただの昔話というよりも、人の心の奥にずんと伝わるものが感じられるお話でした。