再話とあったので調べてみると、「まわりもちの運命」という昔話が出典のようです。
これは、ぼうふらを飲んだ男が具合が悪くなり、金魚、鳥、鳥刺しと食べていくお話で、日本各地の伝承しているもの。
今回のお話は、新潟県の「段々飲み」があらすじが同一です。
また、1975年に「のみこみとっつぁ」文/寺村輝夫文、絵/梅田俊作であかね書房より出版されておりましたが、絶版のようです。
昔話にはいろいろなパターンがありますが、これは笑える話の部類です。
物語は、ある日、ととさんのお腹が痛くなり、かかさんにどうしたら良いか聞くシーンから始まります。
ととさん=パパ、かかさん=ママ
かかさんは、「お寺の和尚さんに聞いてみなさるといい」と言うので、ととさんは、相談に行きます。
この時代、和尚さんというのが一番の身近な博学だったのでしょう。
和尚さんは「腹の中に虫がおるせいじゃ。
カエルを 飲むと いいぞ」
とアドバイスします。
確かに、その回答は正しい側面もありますが、腹の中という想定からすると?のもの。
それから、どんどん話はエスカレート。
虫→カエル→ヘビ→キジ→猟師と、食物連鎖を見るような展開です。
最後は、鬼。
ここまで来るとあり得ない話で、結末も、これが面白い。
あり得ない話で、しかも、話の繰り返しというのは、子供が普遍的に好む物語なので、高い評価に繋がっているのでしょう。
絵は実に味わい深いもので、それぞれのキャラクターの描き方が秀逸です。
かかさんは、いつも働いているし、和尚は以外にひょうきんだし、ととさんなんて、まるでウワバミを彷彿させるもの。
様々な側面から見ても、レベルが高い作品です。
昔話は、それ程年齢を問わず楽しめるので、この作品も幼稚園〜小学校中学年あたりまでが、適齢かと思います。