日本を知らない娘のために、日本の町が移り変わる様子に興味を持ってもらおうと取り寄せました。西村繁男さんの細かい絵が、うまく昭和初期から戦後へと時代を経てゆく町の様子を伝えてくれます。神戸光男さんの文章とも相まって、本書は歴史絵本と言ってもよい作品に仕上がっていると思います。従って、対象年齢は小学校高学年くらいに相当するかもしれません。
また、「戦争にあけくれていた日々をふりかえると、それだけで、むかしがよかったとは、ぼくには思えません」との神戸さんのメッセージからも窺えるように、親にとっても「昭和史とは?」を考えさせるヒントを与えてくれるはずです。
戦争や昔の生活について、娘との会話ができる日の到来を楽しみにさせてくれる一冊。親子で「考える」ためのお薦めの一冊です。