『ティラノ』シリーズの第三弾。
恐竜の世界で友だちをつくることは、実はとてもたいへんなことで、ティラノとエラスモサウルスとの出会いは、幸せな偶然だったのかもしれません。
うごかなくなったエラスモサウルスをギュッとだきしめ、泣きながら「ほんとうのおれ」を見てほしいと願うティラノと、「ほんとうのきみは……こんなにやさしい」といったエラスモサウルスは、このとき初めてほんとうの友だちになれたのかもしれません。
友だちにうそをついたり、自分をかざったりすることは、いけないことだと子どもたちには教えますが、そのことを本当に実現するためには、二人のような厳しい経験を乗り越えなければならないのかもしれません。どうかあなたにも幸せな偶然がありますように。