まりこは障がいを持つ6年生の女の子。
毎朝お母さんと一緒に、バス停まで200mの道を40分かけてゆっくり歩いて行き、養護学校へ通う。
学校の校庭1周分を、だいたい授業1時限分弱を使って歩くといえば、きっと読んでいる子どもたちは驚くのではないでしょうか。
知らない人にとっては少し大きな赤ん坊のようにしか見えないので、中には悲しい言葉をはいていく人もいます。
でも、まいにちの往復400mの道のりの中で、いろいろな人とふれあい、猫や蜂やパンや花の気持ちを感じ取ります。
まりこのような障がいをもつ方々に対して、我々には言葉や行動がなかなか理解できずに偏見を持ったり、どのように接してよいかわからずに敬遠したりしがちです。
でもまりこには、言葉を持たない生き物や花の気持ちがちゃんとわかります。
あとがきに、『世の中には、心やからだに傷害をもっているお友だちがおおぜいいます。…(原文のまま)』
と書かれていますが、その、おおぜいいるはずのお友だちに出会う機会はなかなかありません。
どんな障がい持っていても、誰もが同じ場所で同じ空間を共有できるような、隣りにいるのが当たり前のような、本当の意味でのバリアフリーが実現して欲しいと思います。
それにはまず知るところから始まる、その意味でもぜひ一度は読んでほしい本です。