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となりのイカン」 夏の雨さんの声

となりのイカン 作:中山 千夏
絵:長谷川 義史
出版社:自由国民社
税込価格:\1,650
発行日:2004年10月
ISBN:9784426875039
評価スコア 4.5
評価ランキング 7,649
みんなの声 総数 19
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  • となりのイカン

     言葉は多様だと感じたのは数少ない海外の地ではなく、青森県津軽地方に行った時のことだ。
     温泉場で地元の老人と一緒になったのだが、彼らが何を話しているのかさっぱりわからなかった時だ。
     日本という小さな島国にあってそうなのだから、広い世界となれば知らない言葉ばかりではないか。

     この絵本の「イカン」とは、「いけない、ダメ」ということ。
     関西弁にすれば「アカン」となる。
     東北弁では「マイネ」らしいが、それはこの絵本で初めて知った。
     「いかん、いかん」といつもお父さんに叱られてばかりの「イカン」はとうとう家を飛び出して、むかいに住む「アカン」はお母さんにいつも「アカン」と文句ばかり言われて、こちらも泣いて家を飛び出した。
     二人の友達の「マイネ」も一緒に家を出て、世界をめぐる旅に出る。

     途中でけんかをしている子どもがいれば「けんかはいかん あかん まいね」と仲裁にはいって、友達がどんどん増えていく。
     友達が増えるのと同じように世界中の「いけない、ダメ」が増えていく。
     「ナイン」「ノン」「ニェット」、あれやこれ。
     言葉がそれぞれ違うけれど、伝わっていくのが不思議なくらい。
     それは単に言葉だけではなく、表情であったり発音であったり、情報の手段がさまざまあるからだろう。
     それは絵本でも同じかもしれない。
     言葉だけではなく、絵も伝達の大切な要素。

     この絵本では長谷川義史さんが絵を担当。
     長谷川さんならではの伝える方法がこの絵本にもある。

    投稿日:2016/12/04

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