古くなってごみ箱に捨てられた人形とぬいぐるみが「にげろー」とばかり、おもちゃの汽車に乗って月夜の夜道を疾走する……カッコいい映画みたいな絵本です。最初は「いつまでもたびをしていたい」なんて強がっていたのに、寒くなってくると温かい家が恋しくなってくるという心境の変化は子供みたいで微笑ましいですね。ぬいぐるみや人形が主人公の絵本は、たいていかわいく描かれているのに、この3体はちょっとブキミです。それもそのはず?あとがきを読むと、3体は実在するようです。実物の写真もちょっとブキミ(手作りっぽくて私は好きだけど)……我が家の幼稚園児の息子と娘は一番小さいクマを除いて「かわいくない」と言っていました^^; 最後に新しい家を見つけた人形とぬいぐるみが、月夜の逃避行をなつかしく思い出すというのは、まるで人生のようです。若き日の思い出は一生の宝ですね。