何がすごいって、おねちゃんになったばかりのなっちゃんの行動です。
なっちゃんはママと手をつなぎたかったけれど、ママは赤ちゃんをだっこしているので、ママのスカートをちょっとだけつかんで歩く。その後もママと赤ちゃんを気遣い、なんでも一人でやろうとするのです。ブランコのシーンは寂しそう。
最後は「ちょっとだけ」ではなくて「いっぱい」だっこしてもらうんですけどね。
作者が三児のお母さんだけあって、子どものことを良くわかっていらっしゃるし、画家の方もさっちゃんの微妙な表情を描いています。
確かに、子どもには自立するタイミングがありますから、さっちゃんはまさにそのときだったのかもしれません。
それでもお母さんとの関わりを持たずに、誰も見ていないところで一人でできることはしようとする姿はかわいそうでなりません。
読みすすめていると、もうそろそろ、さっちゃんを見てあげてよ、と思ってしまうのです。