これは、お子さんにというより、お父さんやお母さんに読んで欲しい本です。
お家に赤ちゃんが生まれて、自分の指定席だったお母さんのお膝を取られてしまった猫の視点から描いたお話ですが、張り裂けそうな気持ちを一生懸命抑えているお姉ちゃんの気持ちが痛いほど伝わってきます。
抱っこして欲しいのをじっと我慢して「あたしはお姉ちゃんだから赤ちゃんに大事な場所貸してあげるよ」と言いながらも、でも「待ってるから 後でいいから、私も時々抱っこして 少しでいいから抱っこして」と思う切実な気持ちが伝わってきて、思わず泣けてしまいます。
文章も絵もシンプルですが、上の子の気持ちを見事に描ききった傑作だと思います。