【内容】
デンマークの少年、イエペは帽子が大好き。100個も持っている。しかし、一番好きなのは茶色の帽子。いつでもかぶっている。保育園に行ったり、家族と一緒に過ごしたり、雨が降ったり、いろいろあるけど、いつも帽子と一緒。
帽子大好き少年の日常を、写真で紹介する絵本。
【感想】
こんな小さいうちからマニア。たくさん持っている(集めている)けど、いつもかぶるのは決まっているというあたりも、こだわりを感じる。帽子マニアの少年は、今は40代くらいに成長していると思うけど、一体どういう人になったのだろうか?
マニアの心理を余すところなく表現している。たくさんあっても、使うのが少しだからといって、保管している帽子を捨てていいというものでもないのだ。持っている喜び、使う喜び、お気に入りと一緒にいる喜び。ご機嫌な帽子愛好家の、ウキウキした気持ち、コレクションを誇りに思う気持ち、カッコいい自分にほれ込んで得意になっている気持ち(ややナルシストっぽい)…いろんな表情が、写真を通して生き生きと伝わってくる。この表情を切り取った写真家の観察力、表現力も素晴らしい。
だから、こどもの物を勝手に捨ててはいけません。
本人の了解もなしに、邪魔だからといって、勝手に物を捨てる人があるけど、是非ともこの絵本を見て、本人の気持ちが大切だと学んでほしい。
個人の楽しみや、子どもでも個人を尊重している雰囲気がステキです。
そして、レトロな70年代の雰囲気も、しっかり堪能できます。いろんな楽しみ方ができる一冊です。
何かのマニアやこだわりをもつ人を理解するのにも、役立つと思いますよ。
私もこの少年の気持ちがよくわかる、共感できるので、何かのマニアだと思う。何のマニアなのだろうか…