23年前に出された絵本なので、正ちゃんの現在を考えてしまいました。
進行性難病ムコ多糖症という病気を初めて耳にしたのですが、その難病によって障害者になったということについては理解しました。知的障害も現れるとのことですので、自分の職との接点も実感しました。
4歳の時に病気だということが分かり、院内学級に入学して、行った骨髄移植が失敗して、年ごとに症状が重くなるという、マイナス方向への進行が、どれだけのものか外部の人間には理解しがたいお話です。
そんな子を持つ親御さんが、悪化する一途の正ちゃんが、一番望むことをプレゼントしようという気持ちが痛いほど響いてきました。
イルカに会いに行くというミッションを実現させたボランティア団体の活動も素晴らしいと思います。
イルカに会えたということで、正ちゃんの心に小さな奇跡が生まれました。
治ることのない難病とのことですが、その中で小さな幸せ、歓びを見つけることが、なにより大事なのだと伝えられたように思います。
巻末にお母さんの言葉が加えられ、主人公の住谷正平君の写真もあるので、一つのドキュメンタリー絵本だと思います。