時は、1945年から1946年。場所は台湾の和美と呼ばれている地域。小学校一年生だった日本人の男の子、すすむ君と、台湾人の父と日本人の母を持つひでちゃんとの悲しい友情物語です。
読み終わった時、下の子は「なんで、2人はケンカしちゃったの?」
「なんで、仲直りしないの?」と文句をいい、揚句「このお話は面白くない」とまで言い切りました。
(私はすごくいいお話だと思いました。)
まだ園児の子供には、何故、この2人がケンカもしていないのに、無視しあわなければならなかったのかなんて、全く理解できなかったようです。
この絵本には、血なまぐさい事はいっさい出てきません。ただ、戦争終結によって、せっかく育まれた小さな友情が、壊れてしまった(壊れたように見せなければならなかった)子供たちの事情が描かれています。
こういうつまらない大人のケンカ(戦争で)、子供たちが悲しい想いをしたり、苦しい思いをしたりしない世界に、早くなって欲しいと、心から願っています。