絵もお話もとても温かく、気持ちが和む絵本です。
うさぎさんが作ったしるしに、いすの後ろにつけた短いしっぽ。
でも、「どうぞのいす」と書いた立て札を添えただけで、
「うさぎが作りました」ということは、どこにも書いてありません。
本当の「親切」「思いやり」とは、こういうさりげなさなんですよね。
そんなことを押し付けでなく、自然に学べる本だと思います。
娘は、登場人物の中で、ろばさんが特に好きなようです。
木の下で、何も知らずに、くーくーお昼ねしているろばさん。
目を覚ましたときの、かわいらしいリアクション。
「どんぐりって、くりのあかちゃんだったかしら?」
違うよ〜!と、笑いながら、やさしい眼差しでろばさんを
見つめる娘です。
最後の絵だけのページも、夕焼けの色がとてもすてきです。
「明日は、どんなお友達が、どうぞのいすに座りに来てくれるかな?」と、
ママの言葉を付け加えています。