色のない森のなかに一人の男の子が入っていく。なんとも不安に包まれた風景が描かれた表紙にひかれてしまいました。
森のなかで現れるこどもたちが、知っているおとぎ話の登場人物に似ているところ、作者のアイデアが光ります。これらのこどもたちと男の子との出会いが何を暗示しているのか、一つ一つ考えていくと、男の子の気持ちが推測できそうです。ただ読み通すだけではない、この本の奥深さを感じます。
男の子が森のなかを歩き続けるだけで話は終わりません。ご安心を。行き着く場所、帰り着く場所があることにほっと安堵しました。