むかーし、むかしのことでした。
ある日、おじいさんが畑のキュウリの様子を見に行くと
畑がめちゃくちゃに荒らされていました。
あたりを調べても誰の仕業か分かりません。
その夜、おじいさんが眠りにつこうとすると、
そこからかガヤガヤと話し声が聞こえてきました。
声のするほうに見に行ってみると、なんと、
畑のあちこちで、かっぱ達がすもうをとっています。
おじいさんは木陰から覗いているうちに
面白くなり、ついには大声で応援してしまい、
かっぱ達に すもうをとろうと誘われます。
おじいさんは謝って 相撲から逃れようとしますが
かっぱ達は聞き入れてくれません。
仕方なく、相撲の取り組みをすると
おじいさんは、いとも簡単に負けてしまいます。
その時、おじいさんは ふと思い出すのでした。
かっぱは 頭のお皿が乾くと力が抜けてしまうという話。
一か八か、おじいさんは試してみることに。
「かっぱさん、かっぱさん。
相撲をとる時には、まず おじぎをするのを知らないか」
かっぱが頭を下げたとたん、お皿の水がじゃぼじゃぼ…。
おじいさんの聞いた話は本当だったらしく、
この相撲大会は、おじいさんの大勝利に終わるのでした。
かっぱ達は おじいさんにご馳走をふるまい、
その後は村の畑を荒らすことはなくなったということです。
民話もまた、素朴な味があっていいものですよね。
かっぱの話が もの珍しい お子さんもいるかもしれないですね。