「赤」ネコの誕生に心を揺らす親の姿は、セクシュアルマイノリティの子どもが、カミングアウトした時の親の態度に似ていると感じた。「赤」ネコは、ちっとも自分の「赤」さを恥じていない。むしろ気に入っている。それが自分らしさだからだ。ちゃんと自分を受け止めている。しかし親は、「みんなと同じでないこと」に悩む。親のせい?、育て方のせい?と悩み続ける。誰かと同じであることは、とても安心感を与えるものだ。しかし、そうでないことも受け入れられる社会でありたい。絵本の力は、子どもへのメッセージだけではないと感じさせてくれる絵本の一つだと思う。