この絵本はルピナスさんという女性の一生を綴った物語です。
彼女は幼いころ、おじいさんとある約束をします。
1つは「海のそばに住むこと」2つめは「世の中を美しくするために何かをする」
ルピナスさんがおじいさんとの約束を約束を果たす方法。
それは一体なんだったのでしょう。
まず、この絵本の透明感のある美しい色彩に心を奪われます。
見つめていると吸い込まれそうな、優しくて穏やかな色。
この絵だけでルピナスさんの人生が表現されている気がします。
物語は、ルピナスさんが図書館で働くようになったり、結婚したりと、淡々と進んでいくのに、なぜか心に引っかかるモノがあります。
それは彼女が「世の中を美しくするため」という自分の信念を貫く姿勢が、読んだ人の心に響くからだろうと思います。
たとえ「頭のおかしいおばあさん」と呼ばれようと、自分の意思を自分で信じること。
そして、それがおじいさんとの約束を果たし、周りの人々をも幸せに導いてしまうのです。
自分の人生とドラマを比較したり、映画のようだったら、と憧れもするけれど、きっと私達一人一人の人生だって、素敵な物語で溢れているのでしょう。
将来のことを考え始める子供たちへ、また大人にも温かい絵本です。