私たちの知り得るアリが運びそうな物と言えば、角砂糖の欠片やビスケットのくず。しかし、このお話のアリはあんまん1個を丸々運ぼうというのだから、スケールのバカでかい話となります。
マッチョな男臭いアリたちの、知恵と努力の結晶が、きょだいあんまんを運ぶという命がけの大プロジェクトを成功へと導く!絵本を語るのに熱すぎやしないかと言われそうですが、息精張る文章と、大迫力だがコミカルな表現の絵で進んでいくお話は傑作!
そしてラストは、今までの熱い流れをパッカ〜〜〜〜〜ンと打ち消すあっけらかんとした結末。とにかく笑えます。
しかし、今どきの子ども達に『結果よりも過程』とか『仲間と助け合う素晴らしさ』という事の大切さを伝えるのに、うってつけの絵本ではと思いますが…どうでしょう。