発端は、よくある婿取り物語。愛娘に「いちばんりっぱなおむこさん」をとらせようという王様。季節ごとに結婚相手として隣国の王子をすすめる。おひめさまのロージーの返事は「わたしがけっこんするのは、目がキラキラとかがやいているひとだけなの」
そして、ロージーは自分で結婚したい人を見つけるのです。でも、王様の娘としての立場が、結婚の障害に。だって、『目がキラキラとかがやいているひと』は自分の仕事に誇りを持っていて、また、自分の自然を愛するライフスタイルに満足していて、玉座のことなど、眼中にない。
ロージーは最後には幸せをつかむ。
それにしても、ここに登場する王様は、全然王様らしくなくて、私はロージーの幸せを喜びながらも、王様の気持ちが気にかかる。それも、自分が親の立場で読んでいるからだろうか。
ポケットはからっぽだけど幸せ、と言い切る目のキラキラとかがやいている人の潔さがすがすがしい。そんな生き方をしたいものだと思う。
最後に、バーナデット・ワッツの絵は自然の描写がきれいで優しく、好きなのだけれど、よく見ると王様もおひめさまも童顔で若々しいのが気にかかる。