何かを見る、何かから見られる。
その視線の強力さ、威力を、どん!と目の前に置かれる恐怖。
私たちは、生きていても、死んでいても、何かを見ることから離れられないのか?という不安まで感じさせる。
ぎらぎらしたまなざしで「なんか、こわいやつ、ない?!」と迫ってくる子供が一定数いて、彼らにはこの本を紹介しました。ただし、本当に怖いものに慣れている子にしか、教えない。
「ここに出てくるお話や絵は、大人でも怖いと感じるほど、ものすごく怖い。ちょっと、怖いものがみたい、くらいの感じでは見ない方が良い。自分が大丈夫だったからといって、お友達にも簡単におすすめしないで」と約束させてから、渡しています。
本の内容が「本気」であることを感じるのか、ふざけて扱う子供は出てきていない。
代わりに、この本を読み切ると他の怖いものも教えて、といってくることが多い。
恐怖を伴う読書体験の需要があることを、身をもって知りました。