年老いていくゾウと、ゾウが大好きなネズミ。
ゾウは、自らの死が近づくと、「ゾウの国」へ行く。そして、もうそこから2度と戻らない。
でも、ネズミには、それがなかなか受けいれられません。
が、だんだんと年老いていき、大きくなったネズミは、ゾウの「死」を受け入れる準備が出来るようになるのです。
先日、我が家も、10年飼った犬がなくなりました。
最後の何ヶ月かは、癌との戦いでした。
どんどん弱っていく犬の姿と、この年老いていくゾウの姿がだぶりました。
誰しも、「死」からは逃れようがなく、いずれ、誰もが死ぬ。
それを受け入れることは、本人も、そして、まわりのものにとっても、なかなか難しいことです。
でも、やさしい笑みを浮かべ「きっとすべてうまくいくよ」とゾウを送りだしたネズミを見ると、じーんとします。
まだ、彼には「死」というものを理解することは難しいと思うけれど、飼い犬が静かに息をひきとったことと、きっと重ねあわせて聞いてくれたのだと思います。
6歳の息子も、じっと静かに聞いていました。