6歳の娘と読みました。
日本に住んでいいる人は誰でも
小さなころから慣れ親しんだ存在である
カエデの葉っぱ。
夏が終わり、秋が近づくと、黄色から赤になってくる景色が
本当にきれいで、秋の風物詩です。
が、そのかえでの葉っぱがそのあとどんな気持ちでどうなっていくのか
この絵本を読むまでまったく、考えたことがありませんでした。
若く美しい黄金色のかえでのはっぱも、木から落ち、
漂流を続けていくなかで、
いつしか茶色く、そして黒く、
最後には葉脈しか残らなくなります。
なんだか、赤ちゃんで生まれてきて、
たくさん食べて元気に育ち、大人になり自らも子育てをし、
その子供が結婚して孫が生まれ、そして自身は細く小さくなっていく、
人間の齢の重ね方を彷彿とさせるものがあり、
最後の葉脈の葉っぱを見たときには、とても切なく思いました。
ずっと走り続けていたころには、老いに気づかず、
はっと気づいたときに自分の変わり果てた姿に泣きたくなり、
そして老いを認め、これまでの人生は最高だったと振りかえる。
私もこの絵本のかえでの葉っぱのようにありたいと思った一冊でした。
そう思うと、隣にいて一緒に絵本をのぞき込んでいる娘の姿が、
これまでにも増してキラキラと見えてきて、
生命の輝きというものを感じさせてくれた一冊でもありました。