表紙から暑苦しい絵本です。本をひらいてみると、さまざまな色(原色が多い)を使った太い線の重量感のある絵が広がっています。
つぶれたやかんの中から生まれたパチャリントくんは、2匹の怪獣ガンダラッカとマンダラッカと一緒に旅に出ます。この怪獣ガンダラッカとマンダラッカのグロテスクで醜いこと。大人は敬遠するかもしれませんが、子どもならきっと好きになってくれると思います。
パチャリントくんたちは、自分たちの街を作ったり、たまごっぱらのたまごで大きなたまごやきを作ったりします。たまごを割るシーンでは、ぐっちゃん、とぺちょん、ぐっちゃん、とぺちょん、と子どもたちが思わず声に出して喜んでしまいそうな擬音が登場します。ぐっちゃんで何が行われ、とべちょんで何がされているのか、とても気になります。
長谷川摂子とスズキコージという組み合わせは珍しいですが、二人とも楽しんでこの絵本をつくったことがわかります。この絵本のファンになる子どもたちがたくさん出てきそうです。