いせひでこさんの十数年来の創作モチーフ‘木と人‘をこの作品で結実させたという。淡い水彩画が、心地よく、チェロの音色のように、優しく語りかけてくる。
小鳥がさえずる練習して鳴くのを、ぐせりということを、知った。森を育てる仕事をしていたおじいさん。バイオリン、チェロ職人のお父さん。教会でチェロの音色を聞いて、チェロに心を奪われた息子のために、作ったチェロの音色は、紅茶のように、透明なあったかい色。
やがてチェロの先生になった息子の小さなチェロは、生徒たちの腕の中であたたかい音をだしているという。
忙しい現代だけど、何か大切なことを、思い出させてくれる、そんな作品でした。